前々回のBLOGでは壁2面と屋根3面の計5面が交差する部分の納まりが難所だと書いていたのですが…果たしてその懸念は工務店さんと板金屋さんの努力で無事解決され、とても綺麗に納まっていたのでありました。
壁2面と屋根3面の計5面が交差する部分のディテール。
平面で見た屋根形状。
屋根を見下ろす。
そもそも、板金の可能性を知ったのはアメリカの建築家フランク・ゲーリーが設計した、スペイン/ビルバオにあるビルバオ・グッゲンハイム美術館を見たときです。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館(全景)。
後に実際のビルバオ・グッゲンハイム美術館を見る機会に恵まれるのですが、当時は建築雑誌でその姿を目にしただけ。その後、同じゲーリーの設計によるLAのウォルト・ディズニー・コンサートホールの工事中に、たまたま前を通りかかったら板金工事の真っ最中。
その様子を見ていると、一枚一枚形状も大きさも違うチタンのパネルを、なんとも効率の悪そうな進め方でアメリカ人の板金職人さん達が作業していて、なんとも大変な仕事をされている…とゾッとしたのでありました。
その後、前述のビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪れる機会に恵まれ、マジマジとその複雑な…というか、めちゃくちゃなディテールを目の当たりにして、板金工事の可能性を知ったのでした。
やれば出来るのだ!・・・・と。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館のむちゃくちゃな形態。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館の屋根と壁のディテール。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館の屋根と壁のディテール。
建築の板金は、単に変わった形状や美しい形状を金属で作ればよいというものではなく、雨漏りさせないという絶対的な前提条件が付きまとう所が最も難しい点で、その事を考えるとあまりチャレンジングなディテールを採用せず、無難なディテールに終始する事が多くなるのです。
「芦屋の家3」の板金工事もあと少しで終わりそうですが、完成がとても楽しみなのです。