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執筆者の写真S.Ninomiya

住みたい家?


家の設計をしている時、無意識に自問自答している事があります。それは「この家に住みたいと思えるか?」という事。至極当たり前の尺度だと思うのですが、そういう尺度で設計されていないと思われる家も多くあるように思います。 例えば、「雑誌に掲載される事が目標」だったり「自己満足の為の実験」の為の建築だったり、広義の意味での「ビジネス」だけが主目的の家。副産物としてそれらに繋がるのであれば尚良いのですが、あくまでもそれらが主目的ではダメ。 話は変わりますが、先日テレビを観ていたら農薬で汚染された中国のモヤシの話題をやっていました。インタビューを受けている中国の料理人は「自分では絶対に食べないけど客には出すよ」と、なんの躊躇いもなく答えていました。 テレビの話なので全てを鵜呑みにはしていませんが、これを僕達の仕事に置き換えると「自分では絶対住みたくないけど、お施主さんには設計するよ」という事になります。 勿論、「雑誌の掲載される事」や「実験の場」を提供した事を喜ぶお施主さんもいると思うので、中国産のモヤシと同等に比較はできないのですが、なんとも違和感を覚えずにはいられません。 もし僕が料理人なら、自分でも食べたいと思うものをお客さんには提供したいと思います。それが当たり前の事だと思うからです。当然、設計する家も自分が住みたいと思える家にしたいと思います。

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