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温かい?冷たい?フローリングの話

  • 執筆者の写真: S.Ninomiya
    S.Ninomiya
  • 2015年11月22日
  • 読了時間: 3分

床材を選ぶときにフローリングを選択するケースも多いと思いますが、その理由の多くが「フローリングは木の温かみを感じるから」というもの。でも、本当にフローリングって温かみを感じますか?

多分、「フローリングって冷たい」と感じておられる方も多いと思います。

何故か?

現在最も普及しているフローリングの多くは、表面をコーティングして固く仕上げているものです。これは表面を硬く平滑にする事で傷付きにくく、掃除をし易くする為に施される処理なのですが、この処理がフローリングを冷たく感じさせる要因となっています。

フローリングは無垢や複合に関わらず木材です。木材は細かい繊維質で無数の空気層があり、この空気層が「温かみ」を感じさせる感じさせるのですが、表面をコーティングする事によってこの空気層を塗りつぶしてしまう為、結果的に本来の「温かみ」が失われ「冷たく」感じてしますわけです。

また、コーティングする事で表面が硬く平滑になってしまう事は、人体への影響も少なからず生じる事も問題です。

コーティングによって表面が硬く平滑になってしまったフローリングは、柔らかいカーペットなどに比べ歩行時の足腰に与えるダメージも大きく、且つ滑りやすくなる為に、無意識の内に無駄な筋力も使うため疲れやすくなってしまいます。

「ペットに最適」などの解説があるフローリングがありますが、その殆どは傷付きにくく掃除し易いという人間目線のものであり、表面が硬く平滑にコーティングされているものです。先に述べたように、これがペットに良いはずがありません。

ペットに良くないものは、当然、人間にも良く有りません。

そこで、最近好んでお勧めしているフローリングが「浮造り(うずくり)」とか「スカルプチャー」、「鋸目(のこめ)」と言われる表面が細かく凸凹しているフローリングです。

これらのフローリングはコーティングされているものであっても、表面が細かく凸凹している為そこに空気層が生じて「温かみ」を感じる事ができるフローリングなのです。もちろん凸凹のお蔭で滑りにくい為足腰への負担も少なく疲れにくい。最近はこのようなフローリングを「ペットに最適」とアナウンスしている建材メーカーも増えてきています。

ペットに良いものは、当然、人間にも良いわけです。


床材にスカルプチャー仕上げのフローリングを使用した「浜寺公園の家」。

素足でも冷たくなく木の温かみを感じる事ができる。

因みにウチの事務所では床仕上げにタイルを使用する事も多いのですが、フローリング同様に表面の仕上げが硬く平滑な仕上げ…いわゆる「鏡面仕上げ」のようにツルピカで光沢のあるものではなく、マットでややザラっとした仕上げのものをお勧めしています。理由はフローリングと同様のものに加え、ツルピカで光沢のあるものは光を多く反射し、足腰だけでなく目も疲れやすくさせるからです。車のショールームのように、華やかで長時間滞在しないような空間の場合は問題ありませんが、住まいの場合はそうはいかないので不向きだと考えているからです。


光沢を抑えたマットな仕上げのタイルを使用している「中百舌鳥の家」。

床材選びに参考にして頂けると幸いです。

 
 
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