ネットサーフィン(古い)をしていたら、僕達ソフト産業に従事している人間にとって非常に興味深い記事を見つけました。それは画家のパブロ・ピカソに起こったある出来事。
以下、その記事からの引用
ある日、ピカソがマーケットを歩いていると、手に一枚の紙を持った見知らぬ女性がこう話しかけてきたそうです。
「ピカソさん、私あなたの大ファンなんです。この紙に一つ絵を描いてくれませんか?」
ピカソは彼女に微笑み、たった30秒ほどで小さいながらも美しい絵を描きました。
そして、彼女へと手渡しこう続けます。
「この絵の価格は、100万ドルです」 女性は驚きました。
「ピカソさん、だってこの絵を描くのにたったの『30秒』しかかかっていないのですよ?」
ピカソは笑います。 「30年と30秒ですよ」
元記事はコチラ
僕達「建築家」の仕事もピカソ同様、過去の経験や習得した知識の上に成り立っています。つまりそれには時間もお金もかかっているわけです。でも、それを理解して頂ける方は案外少ないです。
最近でこそ少なくなりましたが、以前はウチに設計の依頼をご検討されている方の中にも設計料が無料と謳っているハウスメーカー等を引き合いに出して、設計料の必要性そのものを疑問に思うという趣旨のご意見を頂く事もありました。
「紙と鉛筆だけで出来る仕事なのに、なんでそんなに高いの?」
「他社は無料だと言ってるよ?」
といった具合です。ピカソに絵を描かせた前出の女性と同じですね。
僕はピカソほど偉大ではありませんが、ソフト産業という枠組みでは同業者。今度から設計料の是非について質問を受けたら、この時のピカソみたいに答えてみようと思うのでありました。
バルセロナ、カタルーニャ建築家協会に描かれたピカソの壁画。一見、まるで子供の落書きのようですが、簡単には描けません。