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執筆者の写真S.Ninomiya

パリ旅行記 その3/サヴォア邸1



「パリ旅行記 その3」は歴史的建造物を離れて近代建築をご紹介します。今回パリを訪れた最大の目的の一つ、建築家ル・コルビュジェ設計による「サヴォア邸」(1931年竣工)です。

サヴォア邸

ル・コルビュジェというと、先日世界遺産に認定された上野の国立西洋美術館(1959年竣工)の設計者として見聞きされた方も多いのではないでしょうか。そのル・コルビュジェが設計したこの「サヴォア邸」も今回の認定されたル・コルビュジェ作品の一つとして、世界遺産に認定されています。

ル・コルビュジェは基本設計時に簡単なスケッチ程度の図面しか描かず、実際はル・コルビュジェの日本人弟子達の3人が設計と監理業務を行った国立西洋美術館と違い。近代建築の五原則を標榜し、その実現にどっぷりと浸かって自ら設計・監理していたこの「サヴォア邸」こそ、本当のル・コルビュジェ作品と言えるのではないかと思います。

道のり

「サヴォア邸」はパリ郊外の田舎町「ポワシー」というところにあります。ポワシーまではRERというフランス国鉄が運営している高速郊外鉄道に乗って行きます。

RERに乗ってポワシーまで着くとそこからはバスかタクシー、徒歩で向かう事になるのですが、パリの田舎町も歩いてみたかったので、てくてくと「サヴォア邸」までの道のりを歩く事にしました。


ポワシーについてまずはトイレ休憩を兼ねて腹ごしらえ。ヨーロッパの多くの国は駅舎といえども公衆トイレを併設しているところは少なく、このようなカフェやレストランを利用してついでにトイレも借りるというスタイル。


お昼時だったので、ランチのハンバーガーを注文。確かこれで12ユーロ(飲み物別)。ちゃんとしたハンバーガーで大変美味しゅう御座いました。


腹ごしらえも終わり、ポワシーの駅前をてくてくと歩き出す。


少し歩くと横道にこんな街並みが垣間見えた。飲食店やその他商店が軒を連ねていて、多分夜には賑わいを見せる通りなんでしょう。


前方に目印となる古い教会を発見。ヨーロッパには片田舎でもこんな歴史のありそうな教会がゴロゴロしています。中に入りたかったのですが、先を急ぐのでスルー。


事前に調べていた案内で「近道」と示されていた「建物をくぐる道」を進む。


「建物をくぐる道」を抜けるとこんな素敵な街並みが出現!


ゆるくカーブした道って、その先に何があるのか?という好奇心をくすぐられてドキドキします。まぁ、今回はこの先に「サヴォア邸」があるので必要以上にドキドキしているわけですが。。。


途中、こんな看板を発見。どうもこの辺りは「サヴォア邸」以外にも見ごたえのある建築が点在しているようです。


で、ずんずん歩いていくと…ついに「サヴォア邸」の入り口に到着。右手の石造りの塀と、左手の金属製の塀の僅かに開かれた開口部から入っていきます。


入り口を入って直ぐにある守衛室のような建物。デザインモチーフは勿論「サヴォア邸」。


守衛室の向かい側はこんな散策路。この道のおくにいよいよお目当ての「サヴォア邸」が!


ジャーン!キターーーーーーーーーーーッ!!ついに来ました「サヴォア邸」。


早く中に入りたい気持ちを抑えて、まずは外観をじっくりと観察。こちらは最初に見える部分の裏側。「サヴォア邸」はいきなり正面をみせるのではなく、まずは裏側をみせてそこからぐるっと正面側に回り込ませるという配置計画になっています。

これは建設当時普及しはじめていた自動車を意識した配置計画で、ピロティー部分が車寄せになっていて、ぐるっと回って正面玄関にアプローチするという導線計画に起因するものです。


左手が建物正面、右手が建物裏面です。こちらはピロティーのしたをぐるっと回った車が最終的に格納されるガレージ側。写真では分かりにくのですが、1階部分の緑色に着色された部分が大きな引き戸になっていて、この引き戸を開けるとガレージが現れます。


玄関部分。真ん中の黒い鉄扉が玄関ドア。


玄関ドアに取り付けられているレバーハンドル。コルビュジェっぽいとも思えますが、なんか陳腐だなというのが正直な印象。オリジナルのものかは不明。

。。。と、いよいよ内部に入るのですが、続きは次回の「パリ旅行記 その4」で。

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