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執筆者の写真S.Ninomiya

良い工務店の定義とは?


良く「どっか良い工務店知りませんか?」と聞かれます。同業の建築家仲間だけでなく一般の方からも。その都度状況を判断してお答えするのでですが、実にこれが難しい。


現在工事中の「寺田町の家」(写真と記事は関係ありません)

良い工務店の定義とは?

そもそも「良い工務店」の定義が難しい。

「保障制度がしっかりしている工務店」「会社としての規模が大きい工務店」「施工レベルが高い工務店」など、いくつかその定義は想定する事ができるのですが、つまるところ現場は現場監督さん次第なので、実はどれも「良い工務店」の定義からは微妙に外れる。

現場監督さんの仕事とは?

現場監督さんの仕事は、設計事務所と実際に現場で仕事をする職人さん達の間に入る仕事で、その仕事内容は実に多岐に渡るのですが、ざっくりと言うと、各種の段取りをする仕事、それから、建築の完成度を左右する仕事です。

現場監督さん次第で、同じ設計図書でつくられた建築物でも、その結果は似て非なるものが出来てしまいます。

現場監督さんは、その工務店の専属…つまり従業員である事が多いのですが、中にはフリーの現場監督さんなども居られます。また、所謂「一人親方」でやっている小さな工務店などの場合、社長が現場監督さんだったりもします。

「保証制度がしっかりしている工務店」は良い工務店か?

もちろん良い工務店なのですが、平成21年10月から施工された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)によって、すべての新築住宅に瑕疵担保保証が義務づけられているので、どの保険会社の保険に加入するかで多少の差はあるものの、基本的には同じ保証が受けられるので、この部分に関してはどの工務店を選んでも一緒という事になります。

「会社の規模が大きい工務店」は良い工務店か?

実はこれが一番判断し難い。

なぜなら、前述のように大きい工務店さんの場合沢山の現場監督さんを抱えている事が多く、前に担当して頂いたAさんは良かったけど今回担当して頂いているBさんは。。。。というケースもままある。それならばAさんを指名すれば良いのですが、たまたまAさんが他の現場担当で忙しかったり、或いは既に退社されたりしているケースもあるからです。

「施工レベルが高い工務店」は良い工務店か?

これももちろん良い工務店なのですが、前述のように結局は現場監督さん次第なので当たりはずれがある。また、高い施工レベルを維持する為に施工費が高くなる傾向があるので、コスト面から判断すると必ずしも「良い工務店」とは言い難い。

まとめ

前述のように、結局現場は現場監督さん次第です。しかし、現場監督さんで工務店を選定するすることは殆ど無く、実際はその逆。工務店を選定後に現場監督さんが決定するのです。しかも、その決定権は工務店にあるわけで、実際に現場が始まるまでどんな現場監督さんが担当するのかは分からない。。。

良い工務店か否かの判断は実に難しいのです。

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