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執筆者の写真S.Ninomiya

デザインと審査と中国

更新日:2019年5月1日

令和元年最初のBLOGは嬉しいお知らせから。


TOPICでも紹介しましたが「北畠の家2」と「豊中の家3」がイタリアのデザインコンペA'Design Awardをダブル受賞しました。昨年受賞した「堺の家5」に続き2年連続での受賞となります。


まずはお施主さんをはじめ、設計にあたりお知恵を貸して頂いた皆様、施工して頂いた工務店や職人の皆様にお礼を申し上げます。


A'Design Awardの受賞作品紹介サイト


A'Design Award(伊)を受賞した「北畠の家2」(撮影:冨田英二)


A'Design Award(伊)を受賞した「豊中の家3」(撮影:冨田英二)



ところで、今年はこのデザインコンペの審査員も務めさせて頂きました(自分の作品は審査できない仕組みになっています)。


このデザインコンペ、建築やインテリアだけではなくプロダクトやグラフィック、ファッションやジュエリーなどありとあらゆるカテゴリーが対照になるのですが、今年は全部で180,902ものエントリーがあったようです。


そのうち僕が審査したのは2,347のエントリーだったのですが…これがかなり大変。


審査は複数の審査員が割り当てられたカテゴリーのエントリーを一つ一つ審査していく方法なのですが、総数180,902エントリーのうち、割り当てられた2,347のエントリーを審査するだけでもかなりの時間と根気を要する作業。審査しても審査してもなかなか終わらない。次から次へと審査しなければいけない。


どれくらい大変だったかというと、僕に割り当てられた2,347のエントリーを全て審査するのに丸3日かかりました。


それと、これは前回の授賞式でも感じた事なのですが、とにかく中国からのエントリーが多い。感覚的には1/3が中国からのエントリー。


世界の人口が73億人(2015年調べ)で、そのうちの中国の人口が14億人(2017年調べ)なので、おおよそ世界の24%が中国人。


デザインは経済が豊かで治安が安定していないと伸びない分野なので、人口が多いだけではだめ。そういう意味でも中国からのエントリーが多いというのは当然の成り行き。


また、特筆すべきはそのクオリティーの高さ。


一昔前まで中国というとパクリばっかりという印象で、もちろん今でも少しはその傾向があるのだけど…それはほんの一握りで、その多くは独自性の高いデザインが目立っていました。


日本だって発展途上の頃はデザインにおいてはパクリが横行していたし、経済が発展し文化に気持ちを費やす余裕が出るに従いその傾向は薄れていって…まぁ、それでもパクリはありますが…という経緯を経て、現在の日本のデザインがあるわけで、そう考えると、いよいよ本当に中国の時代がやってきているのかもしれないと思いました。


デザインの世界においても中国の快進撃が始まっている印象。既に日本のそれを上回っていると言っても過言ではありません。


中国の経済は停滞気味だし先行きも不透明といわれ続けているので、この快進撃がいつまで続くのかは分かりませんが、いずれにせよ当分の間脅威である事に変わりはないと感じました。



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