外壁と屋根はガルバリウム鋼板の一文字葺きという仕上げ。
なぜ難所かというと、通常の納まりではなくちょっと難しい納まり(ディテール)を要求しているから。
何が難しいかというと、通常は棟やコーナーなど面と面の交差する部分は施工性の良さや水じまいを考慮して、どうしてもモッコリと膨らんだ納まりになります。
標準的な納まり。写真のように棟部分がモッコリしている。
しかし「芦屋の家3」の場合、外壁と屋根が一体化された多面体としてデザインされている為、通常通りこのモッコリで処理されるとなんとも情けない不細工な仕上がりとなってしまいます。
「芦屋の家3」ファサードイメージ。屋根と外壁が一体化した多面体としてデザインされている。
これをいかにスマートに、且つ、雨漏りしないように納めるか…というのはなかなか難しい事なのです。
実は、以前にもこの納まりは実例があります。2012年に竣工した「芦屋奥池の家」がその実例です。
「芦屋奥池の家」での実例。この時も板金屋さんが頑張ってくれて非常に綺麗な納まりが実現しています。
ただ、「芦屋奥池の家」の場合3面が交差する納まりだったのですが、「芦屋の家3」は更に2面増えて5面が交差するので…さぁ大変。
この日の現場打ち合わせでも、板金屋さんと現場監督さんを交えて喧々諤々、議論を重ねながら納まりを検討しました。
外壁の2面は施工済み。この状態に難所の屋根部分の3面が加わり計5面が交差する部分となります。
外壁と屋根の2面だけの部分はこのような納まり。
板金屋さんと「あーでもないこーでもない」と打ち合わせしながら現場を進めてきます。